自分の気持ちがわからない|”何を感じてるのか”が言葉にできない君へ

夕方の窓際に立ち、ガラスに映る自分をぼんやり見つめる25歳の女性

「好きなことは?」って聞かれて、答えられない。「今どう思ってる?」と言われても、自分が何を感じてるのかわからない。嬉しいのか、悲しいのか、怒ってるのか。感情があるはずなのに、そこにあるのは空白だけ。友達が楽しそうに笑ってる横で、自分だけ「楽しいって何だっけ」と思ったりする。もしかして自分は冷たい人間なのかな、とすら思う。でも、それは違うよ。自分の気持ちがわからないのは、感情がないからじゃない。感情を感じるセンサーが、少し鈍くなってるだけなんだ。

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気持ちが”空白”になるメカニズム

自分の気持ちがわからなくなるのには、ちゃんとした理由がある。

心理学ではこの状態を「アレキシサイミア(失感情症)」と呼ぶ。トロント大学のグレーム・テイラーらの研究によると、一般人口の約10%がこの傾向を持っているとされている。完全に感情がないわけじゃなくて、自分の感情を認識して言語化するのが苦手な状態のことだ。これは病気じゃない。グラデーションがあって、軽い傾向を含めれば多くの人が当てはまる。原因はさまざまだけど、若い世代に多いパターンがある。それは「周りに合わせすぎること」だ。家庭で自分の感情を表現するのが許されなかった経験、学校で空気を読むことを求められ続けた日常。そういう積み重ねで、自分の本音よりも「正解」を探すクセがついてしまう。気づいたときには、自分が何を感じているのかよりも、相手が何を期待しているかを先に考えるようになってる。500人以上の成功者を分析した研究では、こう指摘されている。

「すべて人間というものは、その心の奥底で自分が描いている通りの人間になってゆくものなのである」

つまり、「自分の気持ちはわからないもの」と思い込み続けると、本当に感じることができなくなっていく。これは思い込みが現実をつくるという、脳の仕組みそのものなんだ。

「合わせすぎ」が感情を消していく

心理学者カール・ロジャーズは「自己一致」という概念を提唱した。これは、自分が内側で感じていることと、外側に表現していることが一致している状態のことだ。逆に言えば、本当はイヤなのに笑っている、本当は怒っているのに平気なフリをしている——そういう「不一致」が続くと、だんだん自分の本当の感情がわからなくなる。

ダイニングテーブルでお茶を前にぼんやりと物思いにふける女性

JMAM(日本能率協会マネジメントセンター)のZ世代調査(2023年)では、若手社員の約65%が「本音と建前を使い分けている」と回答している。これは社会適応としては自然なこと。でも、建前で過ごす時間があまりにも長くなると、本音のほうが奥に引っ込んで出てこなくなるんだ。その結果が「自分の気持ちがわからない」という感覚につながる。成功者たちの研究を長年続けた書籍にも、心の仕組みについてこう記されている。

「人間の心はいつも何かを求めてさまよっているものだが、この心の中のおぼろげな願いが、強烈な感情と結びつくと、その瞬間から願いはたちまち燃え上がるのだ」

裏を返せば、自分の感情に気づけない状態では、心の中の「おぼろげな願い」すら見えなくなってしまう。だからこそ、感情のセンサーを取り戻すことが先なんだよ。

感情を「正解」で判断しなくていい

自分の気持ちがわからないと悩む人に多いのが、感情に正解があると思ってるパターンだ。「こういう場面では嬉しいと思うべき」「ここで悲しくないのはおかしい」。でも、感情に正しいも間違いもない。嬉しい場面で何も感じなくても、それがその瞬間の君の本当の状態なんだ。テキサス大学の心理学者ジェームズ・ペネベーカーの研究では、感情を言葉にするだけでストレスホルモンが減少し、免疫機能が向上することが示されている。

大事なのは「正しい感情を持つこと」じゃなくて、「今の自分がどんな状態か」をそのまま言葉にしてみること。「なんか、もやもやする」でいい。「よくわかんないけど、しんどい」でいい。「嬉しいはずなのに嬉しくない」も立派な自分の気持ちだ。うまく言えなくても、言葉にしようとした時点で、感情のセンサーは少しずつ動き出す。もう一つ、成功者を研究した書物にはこんな指摘がある。

「創造はすべて人間の心のひらめきからはじまる。人間は心に芽生えないものは、決して創り出すことはできないのだ」

自分の気持ちに気づくことは、自分の人生を自分でつくっていくための出発点でもあるんだ。

小さな”感じる練習”から始めよう

感情のセンサーを取り戻すのに、大げさなことは必要ない。日常の中で「あ、今ちょっと心が動いた」に気づく練習をするだけでいい。ごはんを食べて「おいしい」と思ったら、それを意識する。外の風が気持ちよかったら、その感覚に少しだけ留まる。嫌なことがあったとき、胸のあたりがギュッとなる感覚を否定しないで、そのまま受け止める。

朝のバルコニーで目を閉じ、風を感じている女性

感情は筋肉と似ていて、使わなければ衰えるし、少しずつ使えば必ず戻ってくる。リクルートマネジメントソリューションズの調査(2023年)でも、自分の感情を定期的に振り返る習慣がある人ほど、職場での対人関係に満足しているという結果が出ている。自分の気持ちがわかるようになることは、他人との関係も変えていく。自分を知ることが、人とつながる力にもなるんだよ。


言語化ワーク

  1. 今日一日で、ほんの少しでも「心が動いた瞬間」はあった?
  2. それは体のどこで感じた?(胸、お腹、喉、肩…)
  3. もし今の自分の状態に色をつけるとしたら、何色?

自分の気持ちがわからないまま、一人で抱えなくていい。桜花ライフアカデミーには、同じように自分の感情を探している途中の仲間がいる。言葉にできなくても大丈夫。一緒に「感じる練習」から始められる場所がここにあるよ。

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