やりたいことが見つからない|「夢がない」は本当にダメなこと?

白紙のノートを前に考え込む26歳の日本人女性

「将来の夢は?」

就活の面接。親戚の集まり。久しぶりに会った友達との会話。この質問が来るたびに、胸がギュッとなる。

──だって、ないんだもん。

「やりたいことが見つからない」。これ、君だけの悩みだと思ってない? 実は、まったくそんなことない。

日本財団が6カ国の17〜19歳を対象に行った意識調査(2024年)では、「将来の夢を持っている」と答えた日本の若者は60%。6カ国中、最下位だった。さらに「自分には人に誇れる個性がある」と感じている人はわずか53.5%。アメリカ、イギリス、中国、韓国、インドのどこよりも低い数字。

つまり、「夢がない」「自分がよくわからない」と感じているのは、君だけじゃなくて日本の若者のほぼ半数近くが同じ状況にいるってこと。

目次

「夢がない」は本当にダメなこと?

先に結論を言う。ダメじゃない。

ただし、”ある条件”を満たしていない場合に限る。

500人以上の成功者を20年以上かけて研究した人物がいる。その研究で見つかった「成功できない人に共通する最大の弱点」の第1位がこれだった。

「自分が何を望んでいるのかがわからず、説明もできないこと」

つまり、夢がないこと自体は問題じゃない。「自分が何を望んでいるか」に向き合おうとしないことが問題なんだ。

夢がない状態は、「スタート地点に立っている」ということ。ダメなんじゃなくて、まだ始まってないだけ。

「夢が見つからない」の正体は、自分の声が聞こえていないこと

じゃあ、なんで「やりたいこと」が見つからないのか。

心理学に「自己決定理論」というものがある。デシとライアンという2人の心理学者が提唱した理論で、人間のモチベーションには「自律性」「有能感」「つながり」という3つの心理的ニーズが関わっていることがわかっている。この3つが満たされると、人は自然と内側から「やりたい」が湧いてくる。

逆に言えば、この3つが潰されている環境にいると、やりたいことなんて出てこない。「何がしたい?」と聞かれても、答えが出てこなくて当然なんだ。

思い出してみてほしい。子供の頃、「将来は宇宙飛行士になりたい!」って言ったとき、「現実見なよ」って言われなかった? 進路を決めるとき、「安定した仕事にしなさい」って言われなかった?

日本の若者が夢を持てない背景には、「やりたいことより正解を求められる教育」がある。ずっと正解を選ぶ訓練をしてきたから、自分の”好き”や”心地よさ”に鈍感になってしまってる

夢がないんじゃない。自分の内側の声が聞こえなくなってるだけなんだ。

誰もいない広いコワーキングスペースでスマホを見つめる26歳の日本人女性

成功した人たちの「スタート」は、意外とみじめだった

「やりたいことがある人は特別な人だ」って思ってない?

でも、500人以上の成功者研究が導き出した事実はこうだった。

「成功への道を切り拓いていこうとする人々のスタートは、みじめなものである場合が少なくない」

つまり、成功した人たちだって最初から「これだ!」と確信を持っていたわけじゃない。エジソンの共同経営者になった人物は、最初はただの賃金労働者だった。何年もの間、何も起こらなかった。でも彼は、自分の中にあるぼんやりとした「こうなりたい」を捨てなかった。

大切なのは、壮大な夢を最初から持つことじゃない。「なんとなく気になる」「ちょっとやってみたい」、その小さな感覚を無視しないこと。それが願望の種になる。

願望は「探す」ものじゃなく「気づく」もの

実はもうひとつ、この研究から面白い発見がある。

「チャンスは常に背後から忍び寄ってくるというイタズラな習性を持っている」

つまり、チャンスも願望も、正面から「見つけよう」としても見つからない。予想もしなかった方向から、ふいにやってくるものなんだ。

だから、「やりたいことを探さなきゃ」と焦る必要はない。それより大事なのは、日常の中で小さく動くこと。新しいバイトをやってみる。気になった本を1ページだけ読む。知らない人のイベントに顔を出してみる。

そういう小さな行動の中で、「あれ、これ楽しいかも」「これ、ちょっと気になるな」という感覚が生まれる。それが、君だけの願望の芽だ。マイナビの調査(2024年)でも、キャリアの方向性が定まっていない大学生の理由として最も多かったのは「これだというものに出会えていない」だった。出会えていないだけ。才能がないわけでも、ダメなわけでもない。

500人以上の成功者を研究したこの人物は、願望について一番最初にこう書いている。

「何が欲しいのか、それを決めることが人生の第1歩である」

「決める」って言われると構えちゃうかもしれない。でもこれは「人生の目標を今すぐ決めろ」って意味じゃない。自分の「ちょっと気になる」に気づいて、それを言葉にすること。それだけで十分、第1歩なんだ。

書店の床に座り夢中で本を読む26歳の日本人女性

今日からできる3つのこと

「やりたいことがない」を責める必要はない。でも、止まったままでいる必要もない。今日からできることを3つだけ伝えておくね。

① 「イヤなこと」を書き出す。 やりたいことがわからないなら、逆から攻めよう。「これだけは絶対イヤ」を10個書いてみて。やりたいことは、その裏側に隠れてることが多い。「満員電車がイヤ」→「場所に縛られない働き方がしたい」みたいにね。

② 「ちょっと気になる」をメモする。 SNSで目が止まった投稿、なんとなく読んだ記事、ふと気になった仕事。それを1日1個でいいからスマホにメモする。1ヶ月後、見返してみて。きっと傾向が見えてくる。

③ 「5分だけ体験」する。 気になったことを5分だけやってみる。プログラミングでも、絵を描くことでも、料理でも。5分で「つまんない」と思ったら、それも立派な発見。自分の「違う」がわかったってことだから。

さいごに

「夢がない」ことを恥じる必要は、一切ない。

でも、「夢がなくていいや」と思考停止することとは、まったく別の話だ。

大事なのは、自分の内側に耳を澄ませること。小さく動いてみること。そして、「ちょっと気になる」を見逃さないこと。

500人以上の成功者を研究して見えた真実はシンプルだった。成功した人たちは、最初から大きな夢を持っていたわけじゃない。自分の中の小さな声を無視しなかった人たちだった

今はまだ、ぼんやりしていて大丈夫。でも、その「ぼんやり」を言葉にしてみることだけは、今日から始めてみてほしい。

それが、君だけの人生の第1歩になるから。


言語化ワーク|自分を知る3つの質問

  1. 「絶対にイヤなこと」を3つ挙げるとしたら何? その裏側に、君が本当に求めているものがあるかもしれない。
  2. 最近「ちょっと気になった」ことは何? ニュース、人、仕事、場所──なんでもOK。その感覚を大事にしよう。
  3. 子供の頃、時間を忘れて夢中になったことは何だった? その中に、今の自分が忘れている「好き」のヒントが隠れているかも。
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