嫌なことからすぐ逃げてしまう|”逃げ癖”がある自分を責める前に知ってほしいこと

分かれ道で振り返り迷う若い男性の後ろ姿
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また逃げた。その罪悪感ごと、ここに来てくれ

バイトを3ヶ月で辞めた。部活もやめた。面倒くさい人間関係からは距離を取った。嫌なことがあると、気づいたら逃げている。

そしてそのたびに思う。「また逃げた」「自分は何も続けられない人間だ」「逃げ癖がある自分が嫌いだ」。

でも、ちょっとだけ聞いてほしい。心理学の世界では、「逃げる」という行動には2つの種類があるとされている。一つは「防衛的撤退」——自分の心身を守るために必要な撤退。もう一つは「回避的逃避」——不快な感情から逃れるためにパターン化した逃げ。

この2つは外から見ると同じ「逃げ」に見える。でも中身はまったく違う。全部ひとまとめにして「逃げ癖」と呼んで自分を責めるのは、ちょっと乱暴だ。

今日は、その2つの違いを整理して、変える必要がある逃げと、変えなくていい逃げを見分けるところから始めてみよう。

「必要な逃げ」と「パターン化した逃げ」は違う

まず、逃げることが全部悪いわけじゃないという話をさせてくれ。

パワハラ上司のいる職場から離れた。いじめがある環境を抜け出した。心が限界のサインを出していたから休んだ。これは「防衛的撤退」であり、自分を壊さないために必要な行動だ。逃げ癖なんかじゃない。生存戦略だ。

問題になるのは「回避的逃避」の方。これは、少し嫌なことがあっただけで反射的に離脱してしまうパターンのこと。バイト初日に怒られただけで翌日から行かなくなる。新しい人間関係で少し気まずくなっただけで全部リセットする。不快な感情が湧いた瞬間に、考える前に逃げる。

この2つの見分け方はシンプルだ。「逃げたあと、ホッとしたか。それとも後悔したか」。必要な逃げのあとは安堵がある。パターン化した逃げのあとは自己嫌悪がある。もし後者の方が多いなら、そこだけ向き合えばいい。

逃げ癖の根っこにあるもの

パターン化した逃げを繰り返す人の心の奥には、だいたい同じものがある。「失敗した自分を見たくない」という恐怖だ。

心理学者のマーティン・セリグマンはこれを「学習性無力感」と関連づけて説明している。過去に「やったけどダメだった」経験が積み重なると、脳は「どうせやっても無駄だ」と学習してしまう。すると、挑戦する前に逃げた方が「失敗しなかった」という安心が得られる。

つまり逃げ癖の正体は、怠けでも甘えでもなく、過去の「やってもダメだった」体験が残した防御プログラムだ。本人は「自分は弱い」と思っているけど、実際は「傷つきすぎて防御が過敏になっている」の方が近い。

500人以上の成功者を20年間にわたって調査した研究でも、成功者の大半が過去に「逃げた経験」を持っていた。違いは、逃げた自分を「ダメな人間だ」と結論づけなかったこと。逃げた事実は認めた上で、次の一手を考える余力を残していた。

「失敗とは、より賢い方法で再挑戦するための機会にすぎない」

逃げたことは取り消せない。でも「逃げた=ダメ人間」の公式を書き換えることはできる。

空っぽのロッカーの前で立ちすくむ若い男性

逃げ癖を「選択」に変える3つの方法

逃げ癖を完全になくす必要はない。目指すのは「反射的に逃げる」を「考えてから選ぶ」に変えること。ここでは3つの方法を共有する。

① 逃げたくなったら「24時間だけ待つ」

パターン化した逃げは、ほとんどが感情のピークで起きる。怒られた直後、恥をかいた直後、気まずくなった直後。その瞬間の感情は強烈だけど、24時間経つと驚くほど落ち着いていることが多い。「辞めるかどうかは明日の自分に決めさせる」。このワンクッションだけで、反射的な逃げは半分以上防げる。

② 「逃げた理由」をメモに残す

逃げたあと、「なぜ逃げたか」を一行でいいからメモしておく。「店長に理不尽に怒られた」「初日から放置されて居場所がなかった」「人間関係がしんどかった」。

これを何回か続けると、自分の逃げパターンが見えてくる。同じ種類の状況で逃げていることに気づければ、次にその状況に出くわしたとき「あ、これはいつものやつだ」と一拍置ける。自覚があるだけで、反射が「選択」に変わる。

③ 「逃げなかった小さな経験」を数える

逃げ癖があると思っている人は、逃げた記憶ばかり覚えている。でも実際には、逃げなかった場面もあるはずだ。面倒だったけどシフトに入った。嫌だったけど返信を返した。気まずかったけど教室に行った。

500人以上の成功者研究でも、自分の「踏みとどまった経験」を自覚している人ほど、次の困難でも逃げにくかったという結果が出ている。

「あなたの心が想像し、信じることができれば、あなたはそれを達成できる」

「逃げた記憶」は勝手にたまる。だから意識的に「逃げなかった記憶」を拾い上げてやる必要がある。

逃げてきた道も、君の道だ

過去に逃げたこと、全部含めて今の君だ。そしてその過去は変えられない。

でも、これからどう逃げるかは選べる。反射的に全部投げ出すのか、24時間待ってから判断するのか。その違いだけで、結果はまるで変わる。

逃げ癖がある自分を責める必要はない。ただ、次に逃げたくなったときに「これは必要な逃げか、いつものパターンか」と自分に聞いてみてほしい。それができた時点で、もう「逃げ癖」とは違うものになっている。

もし今、逃げ癖のある自分にうんざりしているなら、同じように「逃げてきた自分」と向き合い始めた人たちがいる場所がある。桜花ライフアカデミーには、何度も逃げて、何度も自分を責めて、それでも「次はちょっとだけ踏みとどまってみよう」と思えた仲間がいる。完璧に変わる必要はない。まず、逃げる前に一拍おくことから。

靴ひもを結び直し一歩を踏み出そうとする若い男性
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