「同期と比べてしまう」|入社1年目〜3年目の”横並び地獄”から抜け出す方法

オフィスのデスクでパソコン画面を見つめながら、同僚の会話を背景にひとり焦りを感じている23歳の新社会人男性

あいつ、もう大きい案件任されてる。あの子、別部署でめちゃくちゃ評価されてるらしい。自分は?まだ雑用ばっかりだ。

春の人事異動シーズン。同期の昇進や異動の話が耳に入ってくるたびに、胸がざわつく。別に仲が悪いわけじゃない。むしろ一緒に研修を受けた仲間だ、好きだよ。でも、比べてしまう。比べたくないのに、勝手に比べてしまう。そして勝手に凹む。自分でも情けないと思う。でもやめられない。この”横並び地獄”、社会人1〜3年目なら一度は通る道だ。

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「比べてしまう」のは、弱さじゃなくて脳の仕様

まず知っておいてほしいのは、同期と比べること自体は異常じゃないということ。ALL DIFFERENT社が社会人2〜4年目の900人を対象に行った調査では、全年次で共通して「知識・スキルへの不安」が最大の壁だった。自分の実力に自信が持てないからこそ、身近な同期の成果が気になって仕方なくなる。

社会心理学者レオン・フェスティンガーが1954年に提唱した「社会的比較理論」によると、人間は自分の能力や意見を評価するとき、客観的な基準がない場合、無意識に自分と似た他者と比較する傾向があるとされている。入社時期が同じ、年齢が近い、研修を一緒に受けた。同期はまさに「自分と似た他者」の代表格だ。比較するなと言う方が無理なんだよね。脳がそういうふうにできている。

しかも現代はSNSがある。同期の活躍がリアルタイムで可視化される。「いいね」の数が評価のように見えてしまう時代だ。リクルートマネジメントソリューションズの2024年度調査では、新入社員が仕事で重視することとして「成長」が32.2%でトップに立った一方で、「競争」はわずか2.6%で最下位だった。つまり、競争したいわけじゃない。誰かを蹴落としたいなんて思ってない。ただ、自分が成長できているのかわからなくて不安なだけ。その不安の行き場がないから、いちばん近くにいる同期を物差し代わりにしてしまう。「あの人と比べて自分はどうなんだろう」って。それが”横並び地獄”の正体なんだ。

オフィスの廊下で休憩中に缶コーヒーを持ちながら、物思いにふけるようにスマホを見る新社会人の男性

比較の”毒”は、目標を見失わせること

比較そのものが悪いんじゃない。問題は、比較した結果「自分はダメだ」で思考が止まってしまうことだ。「あいつはできてるのに、自分はできてない」。その先に行けなくなる。比較が分析になればいいのに、ただの自己否定で終わってしまう。これがいちばんもったいない。

500人以上の成功者を20年以上かけて研究した人物は、失敗する人に共通する原因のひとつとして「人生目標の欠如」を挙げている。そしてこう語った。

自分の人生の目標をはっきりと打ち立てていない人々に成功の望みはありえない。私が研究した人々のうち、百人中九十八人はこれといった「人生の目標」をもっていなかった

98%という数字の重さを感じてほしい。ほとんどの人が、自分のゴールを「明確には」持っていなかった。なんとなく「頑張りたい」とは思っている。でも、「何を」「いつまでに」「どうやって」が定まっていない。だからこそ、他人のゴールが気になってしまう。同期と比べて苦しくなるのは、「あいさつがちゃんとできる」からじゃない。自分の行き先がぼやけているから、他人の進捗ばかりが目に入ってしまうんだ。ゴールがないまま走っている人は、隣のレーンしか見えなくなる。

同じ研究者は、他人の意見に振り回されることの危険性についてもこう警告している。

他人の意見に惑わされて、信念のない決断を下してしまうようなら、あなたはどんな仕事をしても成功の見込みはないであろう

これは厳しい言葉だ。でも核心を突いている。同期の昇進を見て「自分も早く結果を出さなきゃ」と焦るのは、他人の物差しで自分の人生を測っている状態。それは「信念のない決断」への入口だ。同期の成功に合わせて自分のゴールをコロコロ変えていたら、いつまでたっても自分のレースは走れない。

比較を”燃料”に変える3つの方法

① 「何と比べているか」を言語化する

モヤっとした焦りの正体は、実はかなり曖昧だ。「同期に負けてる」と感じたとき、具体的に何で負けてると思ってるのか書き出してみてほしい。ポジション?給料?上司からの評価?スキル?それとも、なんとなくの雰囲気?言語化した瞬間に気づくはず。全部で負けてるわけじゃない。漠然とした不安は、分解した瞬間に半分以下になる。頭の中でぐるぐる回しているから巨大に見えるだけなんだよ。

会議室のホワイトボードを前に、自分の課題を整理しようと集中している新社会人の日本人男性

② 比較相手を「同期」から「半年前の自分」に変える

これがいちばん効く。同期がどれだけ先に行っていても、半年前の自分より今の自分の方ができることが増えているなら、それは確実に前に進んでいる証拠だ。メールの書き方、会議での発言、エクセルの操作スピード。なんだっていい。研究者は年に一度の自己分析を推奨し、「前年よりも何か少しでも進歩したことがあったか」と問いかけることを勧めている。比較の軸を”横”から”縦”に変えるだけで、見える景色はまるで変わる。

③ 同期を「ライバル」じゃなく「情報源」にする

同期が成果を出しているなら、それは「そのやり方がうまくいく」という貴重な情報だ。嫉妬するよりも「何やってるの?教えて」って聞きに行く方がよっぽど生産的だし、実は相手もうれしい。聞かれて嫌な気分になる人は少ない。500人以上の成功者を研究した人物が繰り返し説いたのは、「一人で成功した人間などいない」ということ。成功者は必ず協力者の力を借りていた。同期は敵じゃない。同じ時期に同じ場所で戦っている、いちばん近い仲間だよ。その仲間を味方にできたら、これほど心強いことはない。

オフィスのラウンジで同期の同僚とコーヒーを片手にリラックスした会話を楽しむ新社会人の日本人男性

言語化ワーク

  1. 今いちばん「差をつけられた」と感じる同期は誰?その人の具体的にどこが気になる?
  2. 半年前の自分と比べて「できるようになったこと」を3つ挙げてみて。小さいことでいい
  3. もし同期が全員いなかったとしたら、自分は今の仕事で何を目指したい?

同期は鏡だ。でも、鏡に映っているのは他人の実力じゃなくて、自分自身の不安だ。比べること自体は止められない。脳の仕様だから。でも、比べた先で何を思うかは、自分で選べる。横を見て焦って立ち止まるか、前を見て一歩進むか。答えはもう、わかっているはずだよ。

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