卒業式が近づいてくると、なんだかソワソワする。
周りは「やりきった!」って顔してるのに、自分だけ置いてけぼりな気がする。「4年間で何か変われたのか?」って聞かれたら、正直うまく答えられない。SNSを開けば、同級生の内定報告や卒業旅行のキラキラした投稿が流れてくる。それを見るたびに、「自分って何してたんだろう」ってモヤモヤが膨らんでいく。
でもその焦り、実はめちゃくちゃ多くの人が感じてるんだよね。
「成長してない」と感じるのは、君だけじゃない
パーソル総合研究所が行った調査によると、20代の78.5%が「成長したい」と感じている一方で、実際に成長を実感できている人は58.8%にとどまる。つまり約4割の若者が、「頑張っているのに成長している気がしない」という状態にいるということだ。君だけが取り残されているわけじゃない。
さらに、富士通クライアントコンピューティングが大学生1,000人を対象に実施した『令和大学生のモヤトリアム調査』では、76.9%の大学生が日々の忙しさを感じているにもかかわらず、半数以上が「遊び」より「学び」を重視していることがわかった。つまり、サボってるわけじゃない。むしろ真剣に向き合っている。それなのに「何も変わっていない」と感じてしまう。これって、すごくもったいない状態なんだよね。

その「何も変わってない感」には、ちゃんと理由がある
心理学者ウィリアム・ブリッジスが提唱した「トランジション理論」によると、人生の節目には「終わり」「中立圏(ニュートラルゾーン)」「始まり」の3段階があるとされている。卒業って、まさに「終わり」と「始まり」の境目。この真ん中にある「ニュートラルゾーン」で人は混乱や空虚感を覚えるのが自然なんだ。
面白いのが、アメリカでは卒業式のことを「コメンスメント(Commencement)」と呼ぶ。これは「始まり」という意味。つまり、卒業は終わりじゃなくて、新しい何かが始まるための通過点にすぎない。「学生時代の自分」という古い殻を脱いで、次のステージに移ろうとしている途中。その途中経過を、君は「停滞」と勘違いしているだけなんだ。
だから、今の君が「何もできてない」と感じるのは、ちょうど古い自分と新しい自分が入れ替わろうとしている最中だから。それは停滞じゃなくて、次に向かうための”準備期間”。焦る必要なんて、本当はどこにもないんだよ。
成功者たちも「見えない成長」を信じていた
「成長」って目に見えるものだと思いがちだけど、実はそうじゃない。500人以上の成功者を20年かけて研究した人物が、こんな言葉を残している。
人間は進歩したり、立ち止ったり、あるいは後退したりするものであるが、われわれの目標は進歩すること、である
この言葉のポイントは、「立ち止まること」すら人間の自然な状態だと認めている点。成長って、右肩上がりの直線じゃない。止まったり、ちょっと戻ったりしながら、じわじわと少しずつ前に進んでいくもの。焦って大きなジャンプを求めなくていいんだよ。
同じ研究者はこうも言っている。
信念は一粒の種にたとえることができる。よく肥えた大地にまかれたこの一粒の種は、やがて芽を出し、成長し、花を咲かせて実を結ぶ
種って、土の中にいる間は外からは何も見えない。でも、根を張っている。君がこの4年間で経験したこと、悩んだこと、考えたこと。それは全部、まだ地面の下で根を張っている種なんだよ。

さらにこの研究者は、自己分析について「今年の目標はすっかり達成できたか?」「前年よりも何か少しでも進歩したことがあったか?」という問いを定期的に自分に投げかけるべきだと説いた。大きな成果なんて求めなくていい。重要なのは、「去年の自分より少しでも前に進めたか」という視点だ。成功した人たちが特別だったわけじゃない。ただ、自分の小さな変化を見逃さなかっただけなんだよ。
すべて人間というものは、その心の奥底で自分が描いている通りの人間になってゆくものなのである
「自分は何も変わっていない」と思い込んでいると、本当にそうなってしまう。潜在意識は、君が繰り返し考えたことをそのまま現実にしようとする力を持っている。逆に、「気づいていないだけで、少しずつ変わってきているはずだ」と信じられたら、その信念が次の一歩を後押ししてくれる。
「成長してない」を書き換える3つの実践法
① 1年前の自分に「相談されたら」を想像する
1年前の自分がタイムマシンで今の君に相談しにきたとしたら、何かアドバイスできることがあるはず。レポートの書き方、人間関係の乗り越え方、バイト先での立ち振る舞い。なんだっていい。それが君の成長の証拠だ。知識でも、考え方でも、人との向き合い方でも、「あの頃の自分」にかけてあげられる言葉があるなら、確実に前に進んでいる。
② 「できるようになったことリスト」を5個だけ書く
成績やスキルだけじゃなくていい。「一人で役所に行けるようになった」「苦手な人にも挨拶できるようになった」「自炊が少し上手くなった」。そういう小さな変化も全部カウントする。人は「足りないもの」には敏感だけど、「すでに手に入れたもの」には驚くほど鈍感だ。5個書き出すだけで、「あれ、意外と変わってるじゃん」って気づけるはず。
③ 「これからの自分」に手紙を書く
卒業という節目だからこそ、半年後の自分に向けて手紙を書いてみる。「こうなりたい」じゃなくて、「こういう日常を送っていたい」くらいのラフさでいい。500人以上の成功者を研究した人物も、「目標をわかり易いことばで紙に書き出し、毎日声に出して読み上げればよい」と説いている。目標を言語化するだけで、脳はそこに向かって動き始めるんだよ。

言語化ワーク
- この4年間で「考え方が変わったな」と思うことは何?どんな些細なことでもいい
- 今の自分が1年前の自分にアドバイスするとしたら、何て言う?
- 卒業後、どんな人間として生きていきたい?それを一言で表すとしたら?
卒業式のあと、「自分は何も変わらなかった」と下を向く必要はない。変化って、周りが先に気づいて、本人が最後に気づくものだから。入学したての頃と今の自分を比べてみてほしい。考え方も、人との距離の取り方も、きっと全然違うはず。種はもう蒔かれている。あとは、自分を信じて水をやり続けるだけだよ。


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