「仲良かったグループがバラバラになる」|人間関係のステージが変わるときの心の整え方

桜が舞う大学キャンパスの道でスマホを見ながらほろ苦い笑みを浮かべる20歳の日本人女子大学生

いつも一緒だったメンバーが、バラバラになる。

卒業。就職。異動。転勤。理由はそれぞれ違うけど、結果は同じだ。毎日顔を合わせていた人たちと、もう毎日は会えなくなる。昼休みに一緒にコンビニに行くことも、帰り道にだらだら喋ることもなくなる。グループLINEの通知がだんだん減っていって、既読スルーが当たり前になる。集まろうって言っても日程が合わない。この先もっと会えなくなるんだろうなって、なんとなくわかってしまう。その予感が、いちばんつらい。

「寂しい」なんて言葉じゃ足りないくらいの感情。でもそれ、おかしくないからね。

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環境が変わると友人関係が薄れるのは、データでも証明されている

ベネッセ教育総合研究所の調査によると、大学生が「友人との時間」を大学生活で最も充実していたものとして挙げた割合は男子46.7%、女子59.9%に達している。つまり半数以上の大学生にとって、友人との時間が学生生活のいちばんの宝物だったということだ。勉強でもサークルでもなく、「あの人たちと過ごした時間」。それがいちばん大きかった。

一方で、内閣官房の「人々のつながりに関する基礎調査(令和5年)」では、同居していない友人と「直接会って話す」頻度が月1回未満の人ほど、孤独感が強くなる傾向が確認されている。つまり会えなくなると、寂しくなるのは当然なんだ。脳と心がそういうふうにできている。「大人なんだから気持ちを切り替えなよ」なんて言う人がいるけど、そう簡単じゃない。それは科学的にも証明されている自然な反応だから。

でも、ここで一つ知っておいてほしいことがある。「離れる=関係が終わる」ではない。物理的な距離が変わるだけで、関係の本質が消えるわけじゃないんだよ。

大学のロッカーに貼られた写真や思い出の品を温かい表情で見つめる20歳の日本人女子大学生

「バラバラになること」は、実は次のステージへの入口

心理学者ブルース・タックマンが提唱した「チーム発達モデル」では、どんなグループにも「形成期→混乱期→統一期→機能期→散会期」の5段階があるとされている。最後の「散会期」は、メンバーがそれぞれの道に進む時期。ここで大事なのは、散会期はチームの「失敗」でも「崩壊」でもなく、正常な発達プロセスの最終段階だということ。

つまり、バラバラになるのは壊れたんじゃない。そのグループが役割を果たし終えた証拠だ。出会いから別れまで、ちゃんと機能したグループだったということ。それは悲しむことじゃなくて、誇っていいことなんだよ。

500人以上の成功者を研究した人物は、人と人の結びつきについてこう述べている。

調和の精神と思いやりの心をもって友情を交わしてゆく中から、われわれは人々の素質や習慣や思考力などをお互いに吸収し合ってゆくのである

「吸収し合う」。この言葉がすべてだと思う。一緒に過ごした時間の中で、君はあの人たちから確実に何かを受け取っている。考え方。笑いのツボ。価値観。口癖。怒るポイント。泣けるポイント。意識していなくても、確実に吸収している。そしてあの人たちも、君から何かを受け取っている。それは離れたあとも消えない。場所が変わっても、君の中にずっと残り続ける。

夕暮れの大学中庭で、隣の空席を感じながら穏やかな表情で前を見つめる20歳の日本人女子大学生

同じ研究者は、協力者の力についてこうも語っている。

2つの心がひとつになるとき、目には見えない力をもった第三の心が生まれるのだ

グループで過ごした時間は、ひとりでは絶対に到達できなかった場所に君を連れていってくれたはずだ。あの笑い声も、あの深夜のくだらない会話も、あの試験前の焦りを分かち合った朝も、あの無言で隣にいてくれた時間も。全部、「第三の心」が生み出してくれたもの。ひとりじゃ生まれなかったエネルギーだ。それは過去形じゃない。君の中で今も、静かに燃え続けている。

さらにこの研究者は、行動することの重要性についてこう締めくくっている。

幸福は、行動の中から生まれるものである。引込み思案からは何も生まれはしないのだ

寂しいからって閉じこもると、もっと寂しくなる。離れた友達との関係を守りたいなら、自分から動くしかない。連絡するのは、「暇な人」がすることじゃない。「大切にしたい人」がいる人がすることだ。そして、新しい場所では新しい出会いに目を配り、耳を傾ける。それが次のステージの始まりだ。

「散会期」を乗り越える3つのヒント

① 「最後に会う日」をつくらない

送別会を「最後」にしない。「また会おう」を社交辞令で終わらせず、本当に実行する。3か月後でもいい。半年後でもいい。「次がある」と思えるだけで、別れの重さはまるで違うものになる。具体的に日付を決めなくてもいい。「夏になったらご飯行こう」。たった一言、それだけで「終わり」が「続き」に変わる。

② 「前のグループの自分」に固執しない

あの頃の自分は楽しかった。あのメンバーといる自分がいちばん好きだった。それは事実だと思う。でも、あの頃の自分のまま新しい環境に入ろうとすると、どこにも馴染めなくなる。新しい場所には新しい役割がある。新しい空気の中で、また別の自分が育っていく。前の仲間との思い出は、どこにも行かない。だからこそ、安心して次のステージに飛び込んでいい。

③ 仲間への感謝を「心の中」で終わらせない

前の記事でも書いたけど、感謝の気持ちは言葉にしなきゃ届かない。「あのとき一緒にいてくれてありがとう」。たった一言でいい。LINEでも、電話でも。恥ずかしくても。その一言が、離れたあとの関係を「過去」から「現在進行形」に変えてくれる。

春の朝の駅の改札口で振り返り、明るい笑顔で手を振る20歳の日本人女子大学生

言語化ワーク

  1. 今いちばん「離れたくない」と思う人は誰?その人のどんなところが自分にとって大きい?
  2. その人から自分が無意識に受け取ったもの(考え方、口癖、行動パターンなど)は何かある?
  3. もし今の気持ちを素直にその人に伝えるとしたら、何て言う?

人は離れても、つながりは切れない。物理的な距離は広がっても、一緒に笑った記憶が消えるわけじゃないから。あの深夜の電話も、あの何でもない放課後も、ちゃんと君の中に刻まれている。バラバラになるのは、終わりじゃない。それぞれが新しい場所で根を張るための、旅立ちだ。だから泣いていい。寂しくていい。でもそのあとは、ちゃんと前を向くんだよ。いつかまた集まったとき、「みんないい顔してるね」って笑い合えるように。

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